【第15回】”AIが原因で失業する”説の基になった話って?

【”AIが原因で失業する”説の基になった話って?】

「AIが原因で失業する」

信じている人
まだまだ大勢います。

ですがあなたの周りに、
AIに仕事を奪われた人はいますか? 

いませんよね?
少なくとも、今のところ私の周りにはいません。

もしかすると、
あなたはいるはずのない幽霊
おびえているだけかもしれませんよね。

 
いつ頃からこのような怪談が広まったかというと、
第3次AIブームが始まった2013年ごろです。

オックスフォード大学オズボーン准教授らの

「10~20年以内に労働人口の47%が
 機械に代替されるリスクがある」

という論文AI脅威論が一気に広まりました。

半数が失業するリスクにさらされると聞けば、
騒然とするのも当然ですよね。

しかし、
現在はすでにオズボーン論文
ほとんど否定されていて、
反証論文も出尽くしているのが現状です。

「AI脅威論」

は、もはや過去にあった神話なんですね。

それにもかかわらず、
日本人の多くが今だにAIによる雇用への影響
コワいコワいとおびえています。

ではなぜ、
反証論文も出尽くしているにもかかわらず
このような事態になってしまったのでしょうか?

まずは、
オズボーン論文の内容を簡単に
説明していきますね。

そもそも
「労働人口の47%がAIに代替される」
と予想した方法ですが簡単に説明すると

1.米国・労働省が定義する約700個の職業全てに対して、必要とされる数十個のスキルを特徴量として定義します。

2.オックスフォード大学内の有識者によって主体的に選ばれた70個の職業を精査して、自動化可能なら1不可能なら0を割り振ります。

 →これが教師データとなります。

3.教師データから自動化できると判断できる特徴量機械学習で発見し、それらを基にモデルを作成します。

4.モデルを約700個の職業に当てはめて、自動化の確率を求めます。

その結果がこちらになります。
 ↓
https://goo.gl/ep6m9e

自動化される可能性が70%を
超える職業
に就いている労働人口は、
全体の47%もいると分かりました。

X軸にある
「コンピュータ化の確率」
は、高ければ高いほど自動化される
可能性を意味しています。

ピンクや赤、薄オレンジで表現されたサービス系
バックヤード系職業が自動化する割合が高いですね。

一方、
薄青や薄緑で表現された知識労働系職業は
自動化されにくいと分かります。

定性的にしか評価できないと思われた
「自動化されるリスク」
を、定量的に判断できたという点が

非常に画期的で、この論文をキッカケに
世界中で雇用と自動化研究が行われました。

【オズボーン論文の不足点】

現在はすでにオズボーン論文
ほとんど否定されていて、
論文に対していくつかの不足点
指摘されています。

1点目は、

職業そのものに実体はなく、
成果を出すためのタスク
束ねた総称であるという指摘です。

実際に自動化される対象
”タスク”の方です。

それなのにもかかわらず、
オズボーン論文上位の概念に当たる職業
目を向けて自動化を判断しています。

分析するには粒度が荒いのではないか、
という声が多く上がったんですね。

その中で
ヨーロッパ経済研究センターの研究員たちが、
職業をタスクごとに分解して検討し、
その結果を職業に還元する方法
とったんですね。

その結果、

自動化可能性が70%を超える職業は
OECD21カ国平均

『9%』

だと見積もる論文を発表しました。

https://www.oecd-ilibrary.org/social-issues-migration-health/the-risk-of-automation-for-jobs-in-oecd-countries_5jlz9h56dvq7-en

↑リンク先の図は、
オズボーン論文で示した図のような
職業別自動化内訳をタスクベースで
描いた結果です。

職業別で見積もったオズボーン論文では
左右両側が高く、自動化される・されないか
はっきり分かれていますが、

タスク別で見積もったアーンツ論文では
そのでした。

2点目は、

自動化されることで生まれるかもしれない
新たなタスク職業全く無視している
という指摘です。

例えば、
過去の歴史を振り返ってみると、
コンピュータが登場したおかげで

無数のタスクや職業が自動化されましたが、
コーディングインフラ保守作業など
さまざまなタスクや職業も生まれました

そうした新たな雇用は一切
考慮していないのです。

つまり、

「人工知能が原因で失業する」
 かもしれないし、

「人工知能が原因で就職する」
 かもしれないのです。

オズボーン論文は、
その片側だけを技術的に自動化可能
どうかを見ているだけで、

雇用に与える全体の影響まで
考慮していません。

もちろん、

雇用自動化に対する考証を
切り開いた
という点では
大変素晴らしい功績だと思います。

つまりオズボーン論文

着眼点は素晴らしいけど
手法としてはどうなの、

というわけですね。

じゃあ結局自動化はされないの?
と思う方もいますよね。

自動化は否応なく進んでいきます

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 2018年10月24日
 2018年10月16日